広島高等裁判所岡山支部 昭和27年(う)598号 判決
原判示第一の事実につき被告人難波が米を買受けた期間を昭和二六年八月一六日頃から同年九月一日頃までと判示しているのに、別表第一にはその期間を昭和二六年八月一六日頃から同年九月二七日頃までと記載してあつて両者にくいちがいのあることは所論の通りであるが、それに記載された米の数量、買受代金、統制額の超過額の各合計額、回数などの点については両者は合致しているのに独り期間の終期のみ異つていて、しかも昭和二六年九月一日頃との日時は別表第一のいづこにも記載されていない。更に又原判決挙示の証拠特に被告人の司法警察員の面前における第二回被疑者供述調書に添付してある買入明細表の(1)乃至(26)の記載を見るとすべて前記別表第一の記載と符合することが認められる。
すると原判決の認定した米の買入日時、回数、数量、代金などはすべて前記別表第一に記載してあるとおりであつて、その期間の終期を昭和二六年九月一日頃迄と記載したのは明らかに誤であることは直に発見し得るところである。
苟くも判決書に記載された事項を軽々に誤記と断ずることは許されないところであるが、前にも説明したように単に判決書に添付した別表を引用して説明するに過ぎない文言中の字句でこれを別表と対照すれば直ちにそれが誤であることを発見し得る性質のものであつてしかも別表の記載は判決に挙示する証拠と符合する場合の如きは誤記として取扱うべきものであつて所論のように理由のくいちがい又はその他の違法あるものと解することは妥当でない。